巨大直流モーター組み立て依頼

巨大直流モーター組み立て依頼モーター修理、オーバーホールの依頼を良くいただきますが、今回は組み立てだけの依頼でした。直流520kWの重量6.6トンのとても大きなモーターです。
他社がこのモーターのオーバーホールを行っていたそうですが、オーバーホールの途中の組み立て段階になって突然オーバーホールを断念されたようです。部品がバラバラの状態で2年くらいモーターは放置されていたそうです。お客様は、このモーターをどうしても使用したく弊社に修理することは出来ないかとお問い合わせをいただきました。
分解されたモーターは、お客様のお話ですと、コイルの状態は良好とのことなので、そのまま組み立てが可能とのことでした。


検査と部品確認

検査と部品確認
弊社で検査と部品の確認を行いました。当然といえば当然なのですが、2年間も放置されておりましたので空気中の水分が、絶縁部分に吸湿してしまっており絶縁抵抗が下がっていました。このままですと組み立てることは出来ません。コイルの洗浄と乾燥をして絶縁抵抗を回復させました。
ベアリングが、NH形の非常に大きいもので簡単に新しいものを手に入ることはできません。今回、オーバーホールを請け負った会社が、組み立てを諦めたのはこのベアリングを入手できなかったからではないかと思います。


モーターの部品が重い

モーターの部品が重いモーターは、6.6トンもありますので部品ももちろんかなり重いです。モーターを組み立てる際には、コイルやベアリングに傷を着けないよう慎重に作業します。普段であれば、人の手で細かいコントロールができるのですが、ここまで大きなモーターになりますと人の手でコントロールすることはできません。小さい普通のモーターとは違って人の手を使わず、クレーン操作のみで組み立てる必要があり、組み立て用の治具も準備しなければなりませんでした。上記の写真はモーターのブラケットとカーボンホルダーです。組み立ての際には平行を出さなければなりません。


モーター組み立て完了と回転試験

モーター組み立て完了と回転試験組み立ての工程において工夫を重ねようやく組み立てが完了しました。ここまで大きいモーターですと弊社の電源設備でモーターを回せるか心配でしたが、モーターは、回転してくれ、回転試験も無事に完了することが出来ました。普段のモーターの組み立てとは全く異なり、治具の準備や組み立ての手順も事前に考えておかないと手詰まりになる可能性もありました。
今回のモーターのように、修理ができない、部品が直せないなどモーターに関するお悩みが有りましたらご相談ください。