安川製カップモータの修理、諦めていませんか?

長年にわたり生産ラインの心臓部として稼働してきた、安川電機(YASKAWA)製のカップモータ。
その卓越した応答性と制御性により、多くの重要な設備で採用されてきました。しかし、製造から数十年が経過し、メーカーサポートが終了した今、その維持・修理は非常に困難な状況となっています。

「どこに頼んでも断られる」
「部品がないから修理できないと言われた」
「もう交換するしかないが、代替品もない」

そのような絶望的な状況において、私ども三和電機は、その貴重なカップモータの修理を専門的に手掛けております。もしかすると、日本国内において、これらのモータを根本的に修理できるのは、三和電機だけかもしれません。しかし、その修理は容易ではありません。非常にデリケートな構造と、専門的な技術を要するため、修理費用は最低でも20万円からとなります。そして、モータの状態によっては、修理費用が最悪の場合100万円を超えるケースや、あらゆる手を尽くしても「修理不能」と判断せざるを得ないリスクも、残念ながらゼロではございません。

私どもは、この貴重な資産を一日でも長くお使いいただくため、10年以上にわたり、100台以上のカップモータと向き合ってまいりました。その豊富な経験から導き出された、「モータの寿命を確実に延ばし、修理費用を最小限に抑えるため」の、最も重要な警告と、最適なお願いがございます。

【最重要警告】モータが止まったら、絶対に再稼働させないでください
もし、お使いのカップモータが何らかの異常で停止した場合、現場の皆様に、私どもから切にお願いしたいことが一つだけあります。
それは、「停止したモータの電源を、二度と入れないこと」です。

•「あれ?止まったな」
•「ちょっと、もう一回電源を入れてみよう」
•「ブレーカーが落ちただけかもしれない。上げてみよう」

この「安易な再稼働の試み」こそが、修理可能なはずだったモータに、致命的な損傷を与えてしまう最大の原因です。
 

なぜ、再稼働させてはいけないのか?
カップモータが停止する原因の多くは、「絶縁劣化」や「地絡(ショート)」といった電気的な初期トラブルです。この段階であれば、モータの巻線(コイル)自体はまだ「焼損」には至っておらず、修理可能な(=比較的安価な、20万円台の)ケースがほとんどです。三和電機では、近年、この絶縁劣化や地絡したモータの修理技術も確立いたしました。

しかし、絶縁が低下した状態で再度電源を投入(再稼働)すると、どうなるでしょうか。劣化した部分に設計想定外の大電流が流れ、一瞬で巻線が「焼損」してしまいます。一度「焼損」してしまうと、モータ内部は黒焦げになり、破損個所が飛躍的に増加します。そうなると、修理工程は「絶縁補修」だけでは済みません。結果として、修理の手間は数倍に膨れ上がり、修理費用は20万円から、50万円、80万円、そして100万円へと跳ね上がっていくのです。

最悪の場合、焼損によるダメージがコアにまで達し、修理そのものが不可能な「修理不能」の状態に陥ります。お客様の「なんとか動かしたい」というお気持ちが、かえってモータの寿命を奪い、高額な修理費用を発生させてしまうのです。モータが止まった瞬間に、その修理費用が「20万円」で済むか、「100万円」になるか、あるいは「修理不能(0円)」になるかが決まります。その運命を握っているのは、現場で最初に異常を発見した、皆様ご自身です。
「止まったら、触らない。再稼働しない。そして、すぐに電話する」これが、お客様の資産を守るための、唯一かつ最善の初動対応です。

修理ご依頼の最適な流れ(見積もりまでは無料です)私どもが推奨する、最も確実で迅速な修理プロセスは、以下の通りです。

1.【現場から】まず、お電話で一報ください

モータが停止したら、まずは三和電機へお電話ください。
この時、私どもから重要なお願いがございます。
出来れば、商社様や第三者を経由せず、「現場の状況を直接ご存知の方(オペレーター様、保全担当者様、管理者様)」から、直接ご連絡をいただきたいのです。

2.【最重要】現場の「生の情報」をお聞かせください

私どもが修理の可否や方針を判断する上で、以下の「生の情報」が非常に重要になります。
•「どのように止まりましたか?」(例:異音がした、煙が出た、急に止まった)
•「停止した後、再稼働を試みましたか?」(正直にお教えください。これが最も重要です)

これらの情報が、仲介者様を経由することで抜け落ちたり、情報伝達が遅れたりすることが、私どもにとって最大のリスクです。
現場のご担当者様から直接ご連絡をいただくこと。それが、的確な診断への第一歩となります。


3.モータを送付ください(見積もり提示まで費用はかかりません)

お電話で状況をお伺いした後、モータ本体を弊社へご送付いただくようご案内いたします。
(もちろん、緊急の場合は現地診断も検討いたします)


4.現物確認後、正式なお見積もりを提示します

モータが弊社に到着次第、専門の技術者が分解・診断を行います。「焼損の程度」「破損個所」「修理の可否」を詳細に調査し、正式なお見積書(修理費用、納期)を提示いたします。ここまでの診断・お見積もり提示に、費用は一切いただきません。
(※この時点では、お客様から弊社への「片道送料」のみご負担ください)

5.修理を実施するかご判断ください

お見積もり内容をご確認いただき、修理を実施するかどうかをご判断ください。私どもも、20万円から100万円という費用が、決して安いものではないと承知しております。ご提示した修理価格がお客様の予算と合わないことや、修理に必要な納期がお客様の生産計画と合わないこともあると思います。もし修理を「実施しない(キャンセルする)」とご判断された場合でも、診断料や見積もり費用は請求いたしません。その場合は、「モータの返送費用(着払い)」のみ、ご負担いただけますと幸いです。高額な修理になるからこそ、お客様には、まず「修理にいくらかかるのか」「本当に直るのか」を、ノーリスクでご確認いただきたい。それが私どもの方針です。

三和電機の修理は「単なる修理」ではありません
なぜ、私どもが「現場のご担当者様からの直接連絡」にこだわるのか。それは、単に故障状況を正確に把握したいから、だけではありません。
私どもは、モータの「稼働状況」や「管理状況」までリサーチし、お客様にとって最適な「延命アプローチ」をご提案したいからです。
現場の方と直接お話しさせていただくと、

•「この設備は、どれくらいの負荷(稼働負荷)で動いていますか?」
•「1日何時間、稼働していますか?」
•「普段、どのようなメンテナンス(管理状況)をされていますか?」

といった、そのモータが置かれている「背景」までヒアリングすることが可能です。そして、その上で、お客様に「最大の重要点」をお伺いします。「そのモータ(設備)を、あと何年お使いになりたいですか?」この「ゴール設定」こそが、修理のアプローチを決定づけます。

•「あと2年。次の設備更新まで持ってくれればいい」
→ それであれば、高額な補修方法は行わず、絶縁補強とベアリング交換など、最低限の処置(20万円台)でコストを抑えるアプローチをご提案します。
•「あと10年、15年と、この設備を使い続けたい」
→ その場合は、根本的な解決策として、コストがかかっても(100万円クラスでも)完全な補修(状況により弊社保有部品との交換)とオーバーホールをご提案します。

確実な延命措置の例
以前、ある電波望遠鏡のカップモータ修理を担当した際、私どもは「根本修理」と合わせて、ある「運用提案」を行いました。それは、「モータの最高速度(性能)を、あえて20%オフにして運用する」というものです。モータの能力を100%使い切るのではなく、80%に制限して運用することで、モータ(特に修理箇所)への負荷を劇的に下げ、再故障のリスクを最小限に抑えながら、確実な「延命」を得ることができました。

私どもは、単に「壊れたものを直す」だけの修理屋ではありません。お客様の「あと何年使いたいか」というビジョンに寄り添い、10年以上にわたる100台以上の修理実績(ノウハウ)を基に、運用方法の見直しまで含めた「最適な延命アプローチ」をご提案するコンサルタントです。安川製カップモータは、もはや替えの効かない、日本の産業遺産とも言える貴重な資産です。その資産を、お客様の不注意(安易な再稼働)によって失ってしまうことほど、悲しいことはありません。モータが止まったら、深呼吸してください。そして、電源に触れる前に、三和電機へお電話ください。それが、お客様の大切な資産を守る、唯一の方法です。ご連絡を、心よりお待ちしております。